ヨーガンレール
ババグーリ展

2007|3|24|sat → 4|22|sun


会期中休廊日|火曜日
開廊時間|11:00 → 17:30

● 展覧会開催にあたって

 僕達が日常生活の中で感じられる「美」が、絵画や彫刻といった従来の美術作品
だけではなく、普段の暮らしの中で何気なく手にする生活道具の中にも見出される
ようになり、随分と経ちます。実際、クラフトや民芸運動などを知らない若い世代
においても、日々の楽しみのひとつとして生活道具をとらえたり、自ら使ってみる
ことで何かを感じたりする、そういう方が着実に増えてきていると感じます。
 単なるファッション〈流行〉としてだけではなく、自分の持つモノサシで、機能
やデザインを見つめ、そのモノが辿りつく結末〈終わり〉までを想像しながらモノ
を選択する。自分達の日常生活に馴染むもの選びを通して、より普段の暮らしを大
切にしようとする意識が伝わってきます。そうした僕達の暮らしの中の必需品の一
つとして、手ぬぐいがあります。毎日、使うものほど気にいったモノを使いたい
と思う。
 インドで生産された綿を素材としたヨーガンレールの手ぬぐいは、ざっくりとし
た雰囲気とナチュラルな風合いが気持ちよく、手を拭くだけではなくマフラーとし
ても使える優れもの。今回は、そんな手ぬぐいを中心としたヨーガンレールの
[Babaghuri/ババグーリ]展を開催します。
 [Babaghuri]は、水牛の角を削ったスプーンや陶器の器、木製家具などのさま
ざまな生活道具を提案するブランドです。もちろん洋服も。
 デザイナー、ヨーガン・レールのデザインは、そのモノを生み出すだけが目的で
はなく、その先にある暮らしの世界を見据えた上で展開されているように僕には感
じられてなりません。同じように、使い心地のよいただ一枚の手拭いを手に取り、
繰り返し使っていく中で、そこから広がる世界を多くの方に感じて頂けたらうれし
く思います。
 ヨーガンレールの手拭いが日々の暮らしの中でぼろぼろになり、手拭いとしての
機能を失い、擦り切れた布がふたたび大地へと還っていくことをイメージして。

※ Babaghuri/中央インド、ナルマダ川の河口に近い村、ラタンプール周辺で採れる
 瑪瑙(めのう)の意




copyright(c) gallery yamahon all rights reserved.

e-mail:yamahon1@mac.com